アノマリー投資(市場のサイクルは永遠なり)要約

投資

ジェフリー・A・ハーシュ :著

長期投資においてもタイミングは大切です。市場を見て暴落した時に投資するのもありですが、大きな暴落は頻繁にあるわけではないです。私は、積立を基本としつつ、暴落時に少し買い増すことができればラッキーと考えることにしています。ただ、季節性のアノマリーが存在するなら、そのアノマリーに乗ることで、資金効率が良くなるとも考えて、本書を手に取りました。

マーケットにおいて具体的な根拠が無いものの、予測が当たりやすい経験則のことをアノマリーといいます。

既存の投資理論では証明のできない価格形成や動きがあり、合理的ではないものの知識として仕入れておくことでパフォーマンスが向上する可能性があります。またアノマリーには時期性と銘柄属性があります。

トレダビ

第1章 本音で語る

ー強気相場と弱気相場の背後にある意味と歴史を探る。

自らの投資ポートフォリオが上昇しているのは、自分の才能と思ってはいけません。それは単に強気相場の影響なのです。株価に影響をもっとも与えるものは、強気相場と弱気相場のトレンドです。

相場を説明する言葉に、secular(長期相場である程度継続するものであって、周期的でも短期でもないもの)とcyclical(決まった波長のサイクル)があります。

長期トレンドは一般に8年から20年続き、cyclicalは通常数カ月から5年以下です。

つまり、長期のトレンドという波の中にcyclicalな小さい波が存在するのです。例えば、弱気相場の長期トレンドは長引く軍事行動や金融危機に影響を受け、新高値を付けることが難しくなります。

下のグラフは著者が紹介しているダウ平均の長期チャートです。

著者の研究では網掛け部は弱気の長期トレンド、それ以外は強気の長期トレンドです。強気の長期トレンド中でもサイクルの波は存在します。但し、強気の長期トレンドに含まれる小さい上昇サイクルは弱気の長期トレンドに比して60%も大きく上昇するそうです。さらに、上昇サイクルも2倍近く長く続いたそうです。一方で下落サイクルは、弱気の長期トレンド(網掛け部)では、強気の長期トレンドよりも50%近く大きく下げてくるそうです。

引用元:アノマリー投資

まぁ、当たり前と言えば当たり前ですよね。全体的に上昇傾向にあるときは、上げるときは大きく上昇し、下げるときでもあまり下がらないということですね。本書はその辺をデータで裏付けているところが良いと思います。興味のある方は購入することをお勧めします。

また、著者はアメリカが戦争をしているとき(第一次世界大戦、第二次世界大戦、ベトナム戦争等)は弱気の長期トレンドを形成すると分析しています。一方で、強気の長期トレンドは戦争が終わり、戦後のインフレが始まってからであるとしています。本書の出版が2013年なのですが、次の強気相場はアメリカがイラクとアフガニスタンから最終的に撤退した後に来ると予想しています。

第2章 戦争と平和

ー戦争と平和(そしてインフレ)が相場に与える影響

戦争が株式市場にもっとも影響を与えるものでしょう。

20世紀において生じた3回の大きな戦争中に相場はどのように動いたのでしょうか。

戦争の初期において、株価は不安と共に下落します。その後、ボックス圏となりますが、相場を下支えするものは軍事力になります。もっとも、アメリカが戦争にかかわっている間にダウ平均が高値を維持したことは一度もありません。投資家の熱意が高まらないためでしょう。

その後、戦争が終わり落ち着きを取り戻すとき、相場は新高値まで急上昇します。その答えはインフレにあります。その際は500%も上昇する可能性があるとしています。確かに、ベトナム戦争や第二次世界大戦後は500%近く上昇しています。

本書は2013年当時なので、その当時の著者の株価予想は少し外れることになるのですが、2025年にはダウ平均は38,820ドルになると予想しています。2021年2月現在31,468ドルであり、最終的には著者の予想はいい線行くかもしれません。

第3章 活況と低迷の1世紀

20世紀からの戦争(第一次世界大戦~ベトナム戦争)やベビーブーム、情報革新の際に株価がどのような変遷を遂げたのか、具体的な事実に基づいて説明されています。

*ただ、個人的にはこれはアノマリーなの?と思ってしまってますが。。。

結局、市場を停滞させる要因は戦争と金融危機であり、その停滞期間が延びる要因は政治の無策やインフレによるものだと説明されています。

一方で、好景気と相場の上昇は平和、物価安定、効果的な政策、技術革新だとしています。

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