第8章 植え付けの秋
過去62年で株を買う好機は8月~10月に現れています。特に9月、それに次いで8月が株を買う好機となる傾向にあります。
以下、その理由を説明します。
2013年以前の過去15年間のS&P500 は、8月が最悪の月となりました。
特に大統領選挙の翌年の8月は最悪のパフォーマンスとなる傾向にあります。
加えて月末は下げる傾向にあります。トレーダーが休暇を取るために、ウォール街を脱出するからです。
9月の相場は高く始まる傾向にありますが、ファンドは月末近くに、株を処分売りする傾向にあります。そのため、長年にわたり、月末近くは急落に見舞われます。
大統領選挙の翌年は、過去15回のうち9回ひどい下落がありました。
10月はしばしば暴落します。10月の恐怖症という言葉が使われます。
しかし、10月は最高の時(第4四半期)の入り口です。1997年まではもっとも下げを記録した月でしたが、1977年以降はよい月になりました。過去14回のうち11回で上昇しているからです。
第9章 満足の冬
過去を観察すると、11月から1月に買いポジションを取ると利益が得られやすいです。
米国では、第4木曜日から年末にかけて休暇シーズンです。これは、機関投資家の第4四半期の資金が市場に入ってくるためです。
大統領選挙のある年の11月は、この傾向から外れたことがありません。
12月は1950年以降、ダウ平均もS6P500も平均して1.7%上昇しています。
12月の前半は節税やポートフォリオの見直しで相場は弱くなりがちですが、後半はクリスマス・ラリーで説明したように投資家の買戻しが入り株価は上昇する傾向にあります。
1月は小型株が大型株よりも上がるとうわさされます。過去を振り返ると、ナスダックの上昇率はダウ平均やS&P500よりも高いです。
また、1月最初の5日間は、その年の相場を占う指標になります。
最初の5日間にS&P500が上昇した39回のうち33回は年間相場も上昇しています。
第10章 収穫の春
4月は平均して1年で株価がもっとも伸びる月ですが、4月に利食いして守りの体制に入ることがいいかもしれません。
しゃちほこは、長期投資を基本としているので、「売り」のタイミングは数年先の4月になる予感がします。
長期投資の観点では、4月に株購入を控えることになりそうですね。
2月は株価が伸びやすい11月から4月に位置していますが、1月に力強く上昇した影響で調整に入りやすい月とされています。
1950年以降、1月にS&P500が2%以上上昇すると、2月は70%の確率で調整に入ります。
1月に下落した場合も62%の確率で、2月は下落します。
ただし、1月も2月も上昇するときは、その年全体として強気相場になる傾向があります。
3月は月初に株価が押し挙げられて、中旬ごろに下げがちです。ただ、7章で説明した通り、トリプルウィッチングの週は強気になります。
3月は概してパフォーマンスの良い月となりますが、大統領選挙の翌年は弱くなる可能性があります。
5章で説明した通り、大統領が痛みを伴う政策を実行に移すからです。
アメリカでは確定申告の時期です。
以前は確定申告の締め切り(4月15日)より前の方が相場はよかったようですが、現在は確定申告の影響は小さくなっています。
いずれにしても4月は過去何十年もパフォーマンスの良い月でした。
第11章 不振の夏
11月~4月に62年間、ダウ平均に1万ドルを投資していたとすると、複利で67万ドルになっていました。
一方で、5月~10月に投資をしていたら1024ドルの損失を被っていました。
つまり、5月は最悪の六ヶ月の始まりであり、「セル・イン・メイ」と言われるのです。ただ、4月中に売り抜けた方がよさそうです。
ナスダックに関して言えば、11月~6月までが最高の期間になることが多いです。
ナスダックが8か月間の間、最高のときを迎えるのは41年中23年で6月に上昇していることを受けてのことです。
ナスダックに関して言うと、1987年以降、6月末の3営業日から強い上昇が起きています。それは7月9取引日まで続くことが多くあります。
平均して2.3%の上昇を記録しています。
年金基金からの資金の流入などを受けて、大幅に上昇することがあります。しかし、7月に大幅に上昇すると、その後は大きな下落が起きる傾向にあります。
そのため、7月に株を買うよりも、その後の下落時に購入した方がよい傾向にあります。
第13章 金曜日には売るな
1990年、ダウ平均は月曜日と火曜日に上昇する傾向にあり、木曜日と金曜日は下落の傾向にあります。
ダウ平均は月曜日と火曜日を合わせて1万1992.54ドル上昇しているのに対して、木曜日と金曜日では2677.45ドル下落しています。
したがって、金曜日は株を売るのではなく、買い時ということになります。