高配当 米国ETF SYPD

投資

高配当米国ETFとして、SYPDは有名です。

SPYDは過去五年間の平均配当利回りが約4.5%です。ETFなので個別銘柄に投資するよりはリスクが低いと思われます。

SPYDとは

SPYDはSTATE STREETが運営しているETFでS&P500®指数を構成する銘柄のうち、配当利回りの上位80銘柄で構成されています。

年に2回、配当利回りを考慮し銘柄の入れ替えを行っています。

また、上位80銘柄への分散投資は均等なので、銘柄を入れ替えた直後は、各銘柄の構成比率は1.25%となります。

つまり、ダウの犬のS&P500版ということになります。

経理率は0.07%であって、他の高配当ETF.例えばHDV(0.08%)などと、変わらないので、経費は安いと思います。

SPYDの銘柄入れ替えを考える

事例を用いて、どうやってSPYDの構成銘柄がリバランスされているのかを考えてみたいと思います。

表1、図1は、SPYD構成銘柄の一部が値上がりした場合を示しています。

1)事例を簡単にするために、SPYDはA社~D社の4社で構成されており、すべての会社の株価が100ドルだったとし、当初はどの会社の株式も100株づつ保有しており、かつ、利回りが10%だったとします(一番左の表)。とすれば、保有比率は25%づつですね。PSYDがリバランスした当初はこんなイメージです。

2)その後、A社の株価が上がり200ドルになったとします。このとき、配当金が変更なければ、利回りは5%に落ちてしまいます。そして、SPYD全体としての利回りも8%と減少することになります。もっとも、A社の株価が上がっているので、SPYDの株価も上昇し、キャピタルゲインを得ることができます。この事例では自亜総額が40,000ドルから50,000ドルに上昇しているので、株価も1.2倍になることが予想されます。

その後、半年に一回のリバランスにより、A社~D社の資産に対する保有比率は25%となります。このとき、A社は株価が高いので、株数は減少し、100株から62.5株となります。また、株価が上がらず、配当利回りが高いB~D社にリバランスされるので、配当利回りは8.75%に上昇します。

つまり、SPYDの構成銘柄の株価が上昇する局面では、株価が上昇した株を一部売却しキャピタルゲインを得るとともに、リバランスによって割安株を購入し、利回りを維持する作用があります。

一般にリバランスとは、ある一定の構成比率の資産が時間の経過とともに変化した時に、元の構成比率に戻すことを言います。これによって割高の資産売却し、割安の資産を入手することができます。SPYDはまさにこの考え方に則っています。

図1

では、株価が下降局面の時を見てみましょう。株価が上昇するか、下落するかは相対的なものでしかないので、基本的に上昇局面と同じ説明になります。

まず、A~Dの株価が100ドルで、100株づつ保有していたとします。A株が下落し、50ドルになったとすると、配当金額が同じであれば、利回りは20%になります。このとき、A株が下落しているので、A株のSPYD全体に占める保有比率は下落します(14%)。そこでリバランスをするので、割高感のあるB~D社の株を一部売却し、A社株を購入することになります。これで保有比率はA~Dで25%となります。これによって、利回りは12.5%に上昇します。

つまり、配当金が下落しなければ、リバランスによって基本的に配当利回りが上昇する仕組みです。

一方で、安くなった銘柄を購入し続ける運命にあるので、ナンピンし続けていることになります。これは上述の一般的なリバランスであれば当然生じる結果なのですがね。。。

SPYDの推移

株価の推移

それでは、SPYDの推移を見てみましょう。SPYDが世に出た時は30ドルが基準価格だったんですね。

その後、順調に右肩上がりを形成してきましたが、コロナショックにより大幅に下落し、その後も株価が全然戻らない状態が続いていました。しかし、2021年2月以降、SPYDが急回復しました。

出典:Google

分配金と株価

⇓のグラフは分配金と株価の推移です。

分配金は多少の例外はあるものの、2019年12月までは順調に右肩上がりでした。コロナショックで一旦は下落しましたが、その後、回復して、また右肩上がり傾向です。

利回りと株価

⇓は、利回りと株価の推移を表したグラフです。

過去の利回りの平均は4.72%です。したがって、原則として4.72%以上の利回りの時が、SPYDが割安で購入するタイミングということになります。

2021年3月の配当を基準とすると、利回りは6.5%です。

SPYDの株価が昨今、急上昇しましたが、いまだお買い得感があるように感じています。

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