高配当株は概してキャピタルゲインは狙いずらいものですが、インカムゲインが魅力的です。老後の資金を考えている場合、キャピタルゲイン狙いの場合、元本たる株式を売却していかなければなりません。これは資本が目減りしていくので精神衛生上よろしくないかと思っています。一方で、インカムゲインなら、元本が減らないので精神衛生はよいかと思います。
さて、アルトリアは高配当株として有名です。2020年6月20日現在の4半期配当は0.84ドルなので、年間3.36ドルの配当がもらえます。株価は40.69なので、8.25%の利回りということになります。
アルトリアとは
米国のたばこ会社です。煙草を吸う方ならご存知「マールボロ」や「フィリップモリス」、そして、アイコスを販売いしています。同じような会社としてフィリップモリスインターナショナルがありますが、2008年にアルトリアと分社しました。これは、健康訴訟のリスクを低減するためとされています。フィリップモリスインターナショナルが海外市場でアルトリアは米国市場を担当するということになっています。したがって、日本人がマールボロを購入している場合は、フィリップモリスインターナショナルにお世話になっていることになります。
SBI証券によれば、19年12月期の売上構成比は有煙タバコが87.6%で無煙たばこが9.4%、ワインが2.7、その他0.2%となっています。
タバコは健康への関心が高まる中、その販売本数は減少しています。ただ、タバコは中毒性があり、なかなかやめることができません。多少価格が上がっても吸い続けます。なので、販売本数の減少分を価格に転嫁することができます。そのため、売上や粗利益を見ると増加傾向にあります。
2020年7月には、フィリップモリスのアイコスが米国食品医薬品局(FDA)によって、リスク低減たばこ製品(MRTP:Modified Risk Tobacco Products)として認定されました。(2020年7月24日更新)
なお、アルトリアはカナダの医療用大麻のクロノスグループの株式を45%保有しています。カナダは嗜好品としての大麻も解禁されている地域があると聞きます。そのうち、医療用以外にも進出するかもしれません。
また、電子タバコのJUULの株式も35%保有しています。脱普通のたばこということだろうと思いますが、米国の特定の州では電子タバコによる死亡が原因で電子タバコの販売が禁止されています。JUULに関しては戦略の見直しが必要と思われます。
配当金の推移
グラフは4半期ごとの配当金の推移を示しています。増配を繰り返す素晴らしいグラフですね。嬉しくなってきます。配当性向は80%程度ですので、日本のJTとあまり変わらない感じです。たばこ事業は成熟産業ですので、新規の開発費はほとんどかからないでしょうから、配当性向80%は妥当なのだろうと思います。コロナショックでもたばこの販売量はそれほど変わらにでしょうから、今後もこの配当を維持、または増配してくれることを期待しています。
株価と配当利回り
株価と配当利回りの関係です。ここでは、4半期ごとの配当金を4倍し、その月の株価で配当利回りを計算しています。2008年から計算すると配当利回りの平均は5.54%です。
2017年頃は株価が高く、一方で配当利回りが低かったのでお得感はありませんが、2019年頃から株価が下落し、配当利回りが上昇しています。2020年6月は8%以上の利回りが期待できます。12年ガチで保有すれば元が取れる計算です(税金の計算は除いています)。
買い時
上述の通り、平均配当利回りは5.54%ですので、これよりも配当利回りが高い時が買い時ということになります。現在は8%を超えているので、買い時かもしれません。
加えて、平均移動線25日より下回ったときがさらに買い時かと思います。
夏のボーナスがいくら入るのか不明ですが、入金されたらアルトリアを狙おうと思っています。