投資をしていると、10%下がったら損切するべきとか言う人がいますが、まずは自分の投資スタンスを理解したうえで、他人の意見を聞き入れることが重要かと思います。
インデックス投資と個別銘柄投資の視点
インデックス投資とは、日本でいえば日経平均やTOPIX、米国ではS&P500やダウ平均に連動したものに投資することです。投資信託やETFで購入することが一般的と思います。個人でインデックスを構成している株を買いまくるのは現実的ではないですからね。
一方で、個別銘柄は、ある企業の特徴に着目して投資することです。一般に、その企業の業績が良くなれば株価は上昇しますし、悪くなれば株価は下落していきます。なお、インデックス投資はプロの投資(個別銘柄に投資するアクティブ投資)に優るといわれています。
日経平均株価を例に
まずは日経平均を見てみたいと思います。日本はバブル後、失われた10年なんて称されていますが、10年以上失われている気がします。さて、そんな日本においても、もうそろそろ1991年1月の株価24000円台を回復しそうな勢いです。もちろん、コロナッショクがあるので、そんあに簡単に24000円を回復するとは思いませんが。ただ、長期的には経済成長することはほぼ確実なので、株価が上昇しないという不安は和らぐと思います。
このようにインデックス投資においては、いつかは上昇するだろうという期待が存在します。但し、注意しなければいけないのは、インデックス投資でも特定のテーマに限定した投資信託やETFです。これらは個別株投資に近く、経済全体を反映しているとはいいがたいから、そのうち株価が上昇するだろうという期待は日経平均のようなインデックスに比べて低くなります。
一方で、個別銘柄への投資は、インデックスよりも上昇する可能性もありますが、下落し、下手をすると倒産する可能性があります。そうなると、株式は紙切れとなり無価値となってしまいます。この点、インデックス投資の場合は、たとえ一社が倒産してもインデックスへの影響は軽微であり、リスクを軽減することができます。
例えば、株価が10%下落したら損切するべきと主張する人は、この個別銘柄への投資を前提としていると思われます。インデックス投資であれば、下落した時に追加で購入し、上昇を待てばいいからです。
しかし、投資信託やETFを購入している人でも、投資の初心者の方は少し下落すること、売却してしまうようです。これは明らかにもったいないです。特に投資信託はコツコツ積み立てていくことがある程度前提になっています。例えば、積立NISAが良い例です。積立NISAではドル・コスト平均法によって、購入価格を平均化することで将来の値上がりを狙うものです。それなのに、10%下落したら売却する、そんな人の意見を聞いていたら到底利益を上げることはできないと思います。
ドル・コスト平均法とは、価格が日々変わる金融商品を一度に購入するのではなく、一定額ずつ分けて購入することで、平均買付単価を抑える方法です。例えば積立投信などで毎月一定額を積み立てると、価格が高いときには少なく、安いときには多く買い付けるため、毎月一定量(口数)を買う方法よりも、結果的に買付単価が平準化することになります。
価格が変動する金融商品は、たまたま価格が高いときに一気に購入すると、高値づかみをしてしまう可能性があります。また、時間分散によるリスク軽減効果が期待できます。
SMBI日興証券
したがって、例えば日経平均などのインデックス(業界ごとのインデックスを除く)に投資している人は、30%下落したとしても、売らずに持ち続け、あえて買い足ししていくことが重要ではないかと考えています。一方で、個別銘柄の場合は10%下落したら損切するというのも一つの選択肢になり得ると思います。ここで、ナンピン買い(追加で購入し、平均取得価格を下げること)をすると、さらに株価が下がったときに、もっと痛い目にあう可能性があるからです。
短期投資と長期投資の視点
何をもって短期、長期というかはありますが、ここでは、短期投資とはキャピタルゲイン(株価が上がったら売る)を狙っている人のことを指し、長期投資とは、基本的に放置し、例えば、定年退職後にお金が必要になったときに換金するけど、それまでは寝かせている人を指すことにします。
さて、もう一度、先ほどの日経平均の推移を見てみましょう。
2000年ごろのITバブルの崩壊で株価は2003年ごろまで下がり、その後も2008年ごろのリーマンショックで下がり、、、
そうはいっても何もなければ基本的に株価は上向きに動いています。
さて、視点を米国に移してみたいと思います。⇓は1991年からの日経平均とS&P500の値動きです。これを見ると日本はほぼほぼ株価の変動がないのに、米国は右肩上がりだということがわかります。日本は少し例外的なところがありますが、世界に目を向ければ長期的には株価は右肩上がりということが言えます。
長期的に見れば米国株、及び一応日本株も右肩上がりですが、短いスパンで考えると株価は上下を繰り返しています。短期投資家は、少し下がったところで株を購入し、少し上がったところで売却することで、小さい波をいくつも乗り越え利益を上げていきます。しかし、うまく波に乗って利益を上げていけるのは一握りです。そこで、私のような一般人は、長期の右肩上がりに乗ります。これが長期投資家です。
たまに雑誌やインターネットで話題になるような数億という資産を短期で作り上げることはできないかもしれませんが、コツコツと資産を積み上げていくことができます。コツコツとは言っても、1991年にS&P500に投資しておけば、(インフレの影響もありますが)約30年後には10倍になっているわけです。
まとめ
個別株価か、インデックスかと言えば、インデックスの方がリスクがなく安全です。また、短期か長期かとう視点では長期で保有することでコツコツと資産形成ができます。つまり、私は、インデックスで長期投資をするのがベストだろうと考えており、投資信託やらETFを購入しております。なお、個別株もそれなりに購入しておりますが、例えば、インデックス長期投資家は個別株を購入してはいけないというわけではなく、いろいろな投資スタイルを組み合わせればよいと思います。
言いたいことは、例えば、10%下がったら損切するべきとか言う人がいますが、それは短期個別柄投資を前提としてるもので、自分がどのような投資スタンスであるかをきちんと認識しておく必要があると思います。