レバレッジ型バランスファンド(グローバル3倍3分法、USA360)

投資

レバレッジ型バランスファンドが流行っているようです。

私も流行りに乗って、何も考えずにグローバル3倍3分法ファンドと楽天のUSA360を購入しておりました。

コロナショックにUSA360はうまく対処できた形ですが、グローバル3倍3分法は散々な結果となってしまいました。

今回のことで、レバレッジ型バランスファンドの中身をちょっと勉強することができたと思いますので、ご紹介するとともに、タイミングを見て両ファンドを解約しようと思っています。

レバレッジバランスファンドとは

レバレッジ型バランスファンドの仕組みは、現金の一部を使って、先物取引〈レバレッジ〉を活用することで、実際の投資額を大きく上回る資産を運用しています。株式等の部分を大きく上回る債券の部分を保有することで、リスクを分散しているのが特徴です。

株式の下落局面で価格が上昇する傾向がある債券を多く持つことで、レバレッジ型バランスファンドは価格の下落を一定程度抑えることが期待でき、逆に80~100%の株式(一部ファンドはREITを含む)の投資比率の部分で、株式の上昇局面で相応の価格上昇を狙う仕組みです。

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グローバル3倍3分法とは

日興アセットマネジメントが発行している商品で先進国株式、新興国株式、日本REIT、海外先進国REITはそれぞれ20%づつレバレッジをかけずに投資を行います。

これで80%の商品を購入します。残りの20%にレバレッジをかけて、日本株式と各国の債権を購入する仕組みを取っています。

グローバル3倍3分法 目論見書

国際分散投資が叫ばれる中、株式、債券、REITについて世界に分散投資できるので、何となくよく映ってしまいます。私もその一人でした。

ここ1年4か月分のチャートを見るとeMAXIS SLIM米国株式(S&P500、オレンジ)よりもパフォーマンスがいいことがわかります。

但し、コロナショックの周辺だけで比較すると、グローバル3倍3分法の方がパフォーマンスが悪くなっています。

債権を200%も持っているのにデス。これは、コロナショックで株式よりもREITが暴落し、株式よりも復活が遅いからと思います。

私は200万円分ぐらい購入しておりましたが、株価が戻ったところで売ってしまいました。

USA360とは

正式には楽天・米国レバレッジバランスファンドと称されています。楽天投信投資顧問が発行しているものです。

これはグローバル3倍3分法とは異なり米国にフォーカスしており、かつ、株式と債券だけを保有する形をとっています。

90%を現物株式の購入に充てて、残り10%はレバレッジをかけて270%の債権を購入する形をとっています(先物)。

USA360目論見書

こちらは設定が2019年10月なので、コロナショック周辺だけ載せておきます。

コロナショックによって暴落はしましたが、eMAXSLIM米国株式(S&P500)よりもUSA360(楽天・米国レバレッジバランスファンド)の方が緩やかですし、すでに暴落前の水準に戻っております。

これだけを見ると今回の暴落に対して債権が役立ってくれたと思います。私も200万円ぐらい購入しておりましたが、現在3%程度のプラスに転じています。

債権価格の話

いずれのバランスファンドでも債権を組み込むようにしています。債権は金利が上がれば価格が下がるのが原則です。日経BPさんによい記事がありました。

したがって、コロナショックで株価が落ちて、各国がやばいとなって、国債の利回りを下げた結果、債券価格が上昇しました。これがドンピシャで当てはまったのが、USA360になります。

債権は限界?

下のグラフは過去22年間の各国の10年国債の利回りになります。こうやって見ると日本(オレンジ)の国債利回りってずーと低かったんですね。ちょうど2000年にオーストラリア(豪州)の銀行で口座を開きましたが、その時の金利が5%ぐらいでびっくりした覚えがあります。あの当時、為替が他しか1AUD=60円ぐらいの超円高だったから、全部AUDにして10年定期ぐらいにしておけば。。。と思ってしまいます(*’▽’) 後の祭りですね。

話を元に戻して、こうやって見るとリーマンショックぐらいまでは、そこそこ金利が高かったんですね。1億あったら、いまの私のようにリスクを冒さなくても生活できた気がします。が、その後、徐々に利回りが下がってきて、5月11日現在では、いずれの国も1%以下の利回りです。日本とドイツについてはマイナス金利です。なんで、ドイツと日本は昔からこんなに仲が良いのでしょうね。

さて、このように金利が下がりきっている状態では、もうほとんど、金利を下げて債券価格を上げることができなくなってきます。

グローバル3倍3分法は、そもそも低金利のドイツや日本の債権を含んでいました。だから、今回のコロナショックで、債券価格が上昇することがありませんでした。したがって、グローバル3倍3分法は下落がきつかったと思いもいます。一方で、USA360は、米国債券が270%含まれており、コロナ前は金利が高かったので、コロナで金利が下がることで、債券価格が上昇しました。そのため、USA360はコロナで踏ん張れたのではないかと思います。もっとも、米国も債権の利回りが0.6%程度なので、債券利回りが低下しても、債券価格の上昇は限定的と思います。また、今後、債権の利回りが上昇する局面があるとすれば、債券価格が減少し、グローバル3倍3分法もUSA360も、その価格上昇の足を引っ張ると思われます。

レバレッジの複利効果(減価効果)

レバレッジがかかっていると、長期保有ことによって価格が下がっていきます。

例えば、一日目、基準価格が10,000円のものがあったとして、二日目に基準価格が100円上昇し、三日目に100円下落したとします。この場合、レバレッジがかかっていなければ、10,000円に戻るわけです。

仮に3倍のレバレッジがかかっている場合、二日目に基準価格が100円上がると、1%の上昇なので、3%上昇します。したがって、10,300円になります。三日目に基準価格が100円下落したとします。そうすると、3%下落するので、基準価格が9,991円となってしまいます。つまり、価格変動を繰り返していくうちに価格が減少してしまうのです。

引用元 SBI証券

まとめ

レバレッジ型のバランスファンドは分散投資には向いていると思いますが、国債の利回りがどこも1%以下となった現在では、債権のクッションとしての効果はほとんど期待できず、かつ、レバレッジの複利効果によって、レバレッジのかかっている債権部分(グローバル3倍3分法に至っては日本株も)が目減りするだろうと思われるので、この辺で退散しようかと思っています。いかがでしたでしょうか。

2021年1月15日

グローバル3倍3分法についてはすべて売却し、VTを購入しました。1月15日現在、グローバル3倍3分法は以前の最高値ぐらいまで復活しております。もっとも日経平均やS&P500はもっと上昇しています。リートが重しになっているように思います。

USA360は、というと実は保持し続けています。米国金利が上がっているので今後はEMAXIS Slim S&P500よりも伸びは悪いかもしれませんが、一部債権を保有していてもいいかと思ってのことです。これが功を奏し、USA360は約30%の利益が出ています。

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